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ここではモノが感じる、人とヒト、人とモノのお話を紹介します。

金沢

DSC_1501.jpg現代アートと武家文化が美しく調和され、加賀百万石を誇ったかつての城下町、金沢。
        
街中には懐かしい佇まいが今も残り、昔ながらの家屋を活かしたショップ、ギャラリー、カフェなどがある新堅町商店街や活気あふれる近江町市場、昔ながらの佇まいのひがし茶屋街。そして金沢21世紀美術館と日本三大庭園のひとつ兼六園。他にも伝統工芸を体験できるゆのくにの森など人間の五感を刺激してくれるモノが詰まった街でした。
  
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今回は、その金沢市の近くにある山代温泉の「べにや無何有」に宿泊しました。
”無何有”とは、荘子の好んだ言葉で、何も無いこと、無為であること。そこでは空っぽだからこそ自由に満たされた余白のような時間が静かに流れていると言われています。
べにや無何有は、山代薬師山の山庭を囲むようにして建っていて、外の風景がすっと流れ込んで来るような開放感あふれるつくりになっているので、山庭の四季折々の景色が楽しめます。僕達が行った2月は雪が積もっていたので、きれいな白の雪景色を満喫できました。チェックイン時には絞りたてのりんごジュースをだしてくれたのですが、これがまた本当に美味しく、飲みながら雪景色を楽しむことができました。
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旅館の中にはたくさんのスペースがある中で、円庭というところがあり、そこには原研哉さんの作品「蹲 tsukubai 」があります。その水滴の流れるさまを眺めていると心が浄化されていくかのような気分になり、いつまでも眺めていたくなりました。温泉に来てこのような作品にも出会える旅館で何か得をした気分でした。
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夕食は加賀や金沢、能登のものを中心に旬の食材を料理していて、またその料理に合った器を選んで盛り付けている徹底ぶり。一品一品がちょうど良いタイミングで出てきて、ゆっくりとその料理を味わう。普段は仕事柄なのか、ゆっくりと食事することが少ない僕達もこの日は料理の説明を聞きながらゆっくりと食事をし、普段では味わえない時間になった気がします。その頂いた料理すべて美味しかったのですが、中でも名物になっているらしい合鴨のつみれ鍋は最高に美味しかったです。
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冬の露天風呂のイメージといえば、雪が少しだけ降る中で温泉に浸かり、温かいお酒を飲む・・・。部屋には露天風呂も付いているので、温泉に浸かりながらそこから見える山庭の雪景色を眺めお酒も頂きました。残念ながら雪はその時間降っていなかったのですが、外の寒さも温泉のぬくもりと美味しいお酒であたたまり、気分も良くなり大阪ではなかなか味わえない時間を過ごせ、心身ともにリラックスできた気がします。
また就寝時には、アロマを用意してくれその香りともに、ソバ、羽根などの枕も自由に選べ、眠る際も自分好みに演出してくれる。そういったサービスが本当に心地よく、器や置いているモノ、図書室の本、皆が使用できるモノなどすべてにこだわりを感じ、とても素敵な旅館でした。
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揺れるこもれび、風のそよぎ、木樹の香り、空の色・・などが感じられる。自然の息づかいに耳を傾け、自然と共に呼吸し、日常を離れた静かで幸せな時間を過ごす。
べにや無何有で過ごした時間は心身ともに満たされた気がします。
        
      
そして金沢という街は、古き良き時代のモノ、新しいけどもどこか懐かしいモノを感じれる街でした。