ここではモノが感じる、人とヒト、人とモノのお話を紹介します。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島、直島。
岡山県の宇野港からフェリーで20分。
直島に着く頃には、以前行った頃はまだなかった草間彌生さんの作品 [赤かぼちゃ] が出迎えてくれているように見えて、すごくテンションも上がりワクワクさせてくれました。
実際近くまで行き見てみると想像していたよりも大きく、ところどころ大小の穴が開いており、中に入ることも出来ました。中ではその大小の穴から差し込む光が何かの模様のように感じたり、またそこから顔を出して海の景色を眺めることもできてとても素敵な作品でした。
今回は滞在時間が短かったため、ゆっくり島を回ることが出来なかったのですが、いちばん行きたかった大竹伸朗さんが手がけた直島銭湯には行くことができました。
その直島銭湯の前まで行くと、南国をイメージした銭湯の玄関の横には、ヤシの木が植えられていたり、上には女性のシルエットの看板や、壁には船底をオブジェのように壁に貼りつけていたり、2階部分には松の植栽があったり・・・たくさん面白い部分がありその独特な建物に圧倒されました。
銭湯でゆっくりと長い時間かけて大きなお風呂に浸かるのが大好きで、たまにではありますが行ったりします。また銭湯では湯船の横の壁に富士山の絵が描かれているのが多いみたいで、僕もそんなイメージがあります。ここでは外の壁に描かれていて少し変わった感じでしたが、それは横にあるカフェのお客さんが窓から眺められるようにという想いがあるみたいです。そんな周囲への気遣いもあってより素敵に思えました。
中に入ると、コラージュの作品や絵付けタイル、ガラスの向こうは温室で植物が並べられていたり、男湯、女湯を区切っている壁の上には秘宝館から持ち込まれたという小象が見下ろしているようで、普通ではありえない銭湯で楽しませてくれました。
湯船に浸かっていると上のガラスにはぺインティングされてたり、下にはタイルに絵が描かれていたり、あまり目につかない所のタイルまで文字などが描かれたりと見るところがたくさんあって少ない時間ではもったいない感じでゆっくりと時間をかけたい場所でした。
それほど大きくない湯船なのですが、島民と観光客の憩いの場になればという想いが込められたのが伝わるような銭湯でした。昔のように銭湯に行きいろんな方とコミュニケーションをとるような場所が無くなってきた時代だと思うと、これくらいがちょうどいい大きさなのかなと感じました。
こういった日常と作品が共存する場所の直島銭湯。
そして、たくさんのアートがある直島は、また何度でも訪れたいと思います。