ここではモノが感じる、人とヒト、人とモノのお話を紹介します。
石川県金沢市の中心に位置するこの美術館は、金沢という街に溶け込んだ誰もが気軽に立ち寄れるところです。正面玄関が無く四方からの入り口で出入りができ、円形総ガラス張りで開放感のあるつくりになっているので、本当に気軽に入ることができる公園のような感覚の美術館です。
私がここを訪れるのは今回で2回目なのですが、何度行っても楽しめるとても大好きな美術館です。以前訪れた時は、青々とした芝生に囲まれていたのですが、この日の金沢は非常に寒く雪が積もっていました。雪で覆われた真っ白な外観もまた素敵でした。
無料で鑑賞できる展示もいくつかあり、その中で水に濡れない不思議なプールがあるのですが、プールの中から上を眺めると風に揺られた水面がきらきらしていてとてもきれいでした。
今回のお目当ては、大森伃佑子さんとマエダサチコさんによる「不自由な夢」という展示でした。マエダサチコさんはVida=Felizで活動しているキャンドル作家さんで、mono.hairでもキャンドルを展示して頂いたり、何年か前にはお店で個展をしてもらったりした、かわいいキャンドルを作る作家さんです。
そのキャンドルを大森さんがスタイリングした空間を見る事がとても楽しみで、ドキドキしながら1歩展示している会場に入ると、そこにはレースにリボン、キャンドル、人形、ドレスなど女の子が大好きなかわいいモノであふれていました。
「かわいい!!」という第一声とともに圧倒された私は立ち止って会場全体を眺めていました。
一つ一つの作品をじっくり見ているととても繊細で溶けだしたキャンドルが女の子の涙のように見えたり、今にも崩れて無くなってしまいそうな弱さにも見えて、色々な表情を楽しむことが出来ました。
古い町並みと現代アートが調和され、金沢という街に溶け込んだ金沢21世紀美術館。
また、気になる作家さんの展示を見に、公園に散歩しに行くかのように気軽に足を運んでみたいと思います。